RICOH STAYTHEE

2021

Start-up Management, Brand VI, Industrial Design, Sound Design, Mechanical Engineering, Interaction Design, Service Design, EC Launch Support

STAYTHEE(ステイシー)は、360度カメラやアクションカメラを収納した防水ケースに装着することで、 電池不要で水中で中性浮力(浮いたり沈んだりしない)を維持するカメラ用浮力調整器です。 ユーザーの工夫次第で、今まで見たことのない水中映像を撮影することができ、 マリンスポーツやエンターテインメントだけでなく、水中でのビジネスや研究などにも応用が可能です。 STAYTHEEは、リコーの新規事業創出活動 "TRIBUS "の一環として、シュノーケリングやダイビングなどのマリンスポーツを楽しむ人たちのための革新的な製品として誕生しました。 tsugはTRIBUSのメンターとして、複数のチームの事業立ち上げや製品設計を総合的にサポートしています。 STAYTHEEでは、商品開発や事業立ち上げの監修・デザインサポート、サウンドやロゴ、ブランディング等の初期のデザインサポートを行いました。
good design award 2023のBEST 100受賞、および審査員の「私の選んだ一品」にも選出されています。

プロダクトネームやブランドのカラートーン、ロゴサウンドなど、ブランドのアイデンティティの各要素のデザインもしました。 海の中でマルチアングルの中空浮遊撮影をするという体験をモチーフとしてデザイン要素を構成しています。 STAYTHEE(ステイシー)というネーミングは水中での中空浮遊をするという意味と多角度を意味するthetaを合わせた造語です。 ロゴデザインはプロダクトの特徴である安定感とかんたん操作での安心を想起させるような落ち着きある文字スタイルを作っています。360度レンズを想起させる形状を盛り込むなどもしています。

ロゴ表示の際の背景などに使われるブランドカラーは沖縄の著名な各ダイビングスポットの海の色をサンプリングしたマルチカラーのグラデーションとしています。 サウンドロゴは、水中での気泡の音や水圧から来る耳の鳴りなどをモチーフとして音を作っています。 プロダクトリリースに合わせて制作されたプロモーション動画などで利用されています。 プロモーション動画はプロダクトそのもののスペックは紹介せずにプロダクトで得られる体験そのものの価値を前面に押し出すコンセプトになっています。 事業全体でも既存のダイビングマーケットに届けるためだけではなく、ダイビングそのものに興味を持ってもらって新規のダイバーが増加するようなプロモーションを志向しました。

RICOHは自社で360度撮影のカメラをリリースしていますが、STAYTHEEでは、水中撮影の文化が広まることこそが自社利益につながると考え、競合他社製品でも使用可能なデザインとしました。 販売網も既存の販路だけではなく、STAYTHEEチームが主導して新たにEC販売を開始することでグループ全体として新たな販路や商圏の開拓も試みています。 そういった販売戦略や立ち上げ時のECの設計や実装も全体的にサポートしました(初期サイトのみ)。またチームが継続して内製をしていけるような技術共有も行なっています。