将来宇宙輸送システム株式会社(Innovative Space Carrier .inc)
2023
Vision Design, Industrial Design, Brand Design, Communication Design
将来宇宙輸送システム株式会社(Innovative Space Carrier inc. 略称: ISC)は宇宙空間を利用した輸送事業を構築しているスタートアップ。
文部科学省中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR フェーズ3)宇宙分野(事業テーマ:民間ロケットの開発・実証)に採択もされています。
「毎日、人や貨物が届けられる世界。そんな当たり前を、宇宙でも。」というビジョンを掲げ、
完全再使用型の単段式宇宙往還機(SSTO)を用いた高頻度宇宙輸送を2040年代に行うことを最終目標とし、
今後5年程度で再使用型の宇宙輸送機を開発することを目指し、現在実証実験や開発を進めています。
地球と宇宙空間、そして宇宙区間を経由しての地球上の2拠点間で人や物資を輸送する次世代輸送手段を開発しています。
ロケット、宇宙往還機などの機体のデザイン、ブランド構築やPRツール含めた事業全体のクリエイティブディレクションを包括的に担当しています。
SSTOのコンセプトモデル。機体はエンジニアたちと一緒に技術的な側面を考慮しつつ、デザインされています。
全長約40メートル。燃料タンクの切り離しなどを行わない、単段式の宇宙往還機。
SSTO機は燃料の重量が大半を占めるので、地球に帰ってくる時はエンジン側が重いバランスになるため、
地上の飛行機に比べて翼の位置がかなり後ろにレイアウトされます。
大気を吸入して推力に変換するため、大きなエアダクトがマウントされるのも特徴。2040年頃実用化予定。
ロケット(コードネームDTV-1.2)のデザイン。2027年頃製造を予定している実証実験機。
SSTO機にたどり着く前の開発フェーズ、実証実験で使われるロケットのデザイン。
もともとの開発コードネームであるASCA(飛鳥)が日本古来の地方の名前でもあり、
イスカという実在する鳥が由来という説がある名称。そこで、
イスカの特徴的な「たがい違いのくちばし」をデザインモチーフとした「交差する線」、
コーポレートカラーのブルー、優雅に飛び立つ様を連想させるアーチ形状を随所に散りばめて統合した外観デザインとしました。
ISCは様々なパートナー企業とのアライアンス開発を目指す事業スタイルとしているため、その思想もスタイリングに盛り込まれています。
角のある六角形が角のない円筒形に緩やかに変化していくフォルムは、
「成り立ちの違う企業が徐々に一つのチームになっていく変化」をイメージしています。
ISCでは宇宙往還機やロケットの機体開発を効率化するための「開発プラットフォームそのもの」から新しいコンセプトでスタートしています。
ウォーターフォール型の開発が一般的な宇宙開発において、アジャイル型の開発を実現するために、ISC独自の研究・開発プラットフォームである
「P4SD」(Platform for Space Development)を用いています。
「P4SD」は、開発に関わる全ての開発・試験過程をデータ化し、クラウド上に集約させた研究・開発プラットフォーム。
将来的には関係企業への共同利用の開放も視野に入れています。
全体のフレームワーク概念の構築サポート・ブランドロゴもデザインしています。
2023年末には、日本で初めてとなる、水素・メタン・酸素の3種類の推進剤を用いた「トリプロペラント方式」の燃焼試験に成功。
あわせて、P4SDの有効性も確認。
これらのような開発の進捗を公開していくDEV-REPORTムービーのプロデュースも手掛けています。