Narravity の軌道上実験プラットフォーム衛星のレンダリング。ペイロード収納部と展開した太陽電池パドル。

Narravity

2025 -

Space New Business Product Design Service Design Design Engineering Film/Video

EngagementCreative Director / Design Partner

ScopeConcept × Service × Industrial Design × Interaction × Concept Film × Brand

DomainSpace, Microgravity, R&D Platform, Materials Science, Biotech, New Business

PracticeConcept Design, Industrial Design & Engineering, Interaction Design, Service Design, Concept Film

01. Context

Innovative Space Carrier(ISC)の米国子会社 Sirius Technologies が立ち上げた微小重力実験プラットフォーム「Narravity」のプロジェクト。Narravity は、ISS のタイムラインやコストなしに、商業 R&D が微重力環境にアクセスできる小型自律型ラボを提供するサービスで、素材科学・バイオテック・新素材開発・ブランディングなど、宇宙の特殊環境を製品開発と物語のための場として扱う、これまでにない構想である。「軌道上の実験という非日常を、商業 R&D の現場に届くサービスと、ブランドに使える物語に翻訳すること」── 技術仕様やミッション要件で語られがちな宇宙ビジネスを、顧客企業の事業開発の延長線に位置づけ直すコンセプトのプロダクトである。

Narravity のペイロード収納コンテナ。NARRAVITY ロゴと展開機構付きのフライトハードウェア。

02. Concept

中核に据えたのは、Narravity 公式タグラインそのものでもある "Define in Space. Design for Earth." ── 宇宙で定義し、地球のために設計する。微重力という地球で再現不可能な環境を、製品開発の上流の "定義" の場として再定位する発想。

そのうえで、サービス価値の骨格を組み立てた:

  • 対象を商業 R&D に据える:研究機関向けではなく、材料・バイオ・ブランド開発を行う企業の R&D 部門を主対象としたサービスフレーム
  • 4段階のサービスフロー:実験定義 → ペイロード統合 → 軌道上運用 → データ・ストーリー化。クライアント側で整理されていた事業の段取りを、対外的なコミュニケーションとしても伝わる形に tsug のコミュニケーションデザインで翻訳
  • 「ストーリー化」までを含める:技術成果をデータで終わらせず、ブランドの物語として返すところまでをサービスに組み込む。宇宙環境をプロダクトのストーリーラインの一部に組み入れられる、という構造そのものが Narravity の差別化軸
  • モジュールの象徴性:衛星モジュールに十字型のソーラーパネルと中央の透明ケースを配し、ケースには顧客のプロダクト(CES 2026 ではスニーカーを展示)が収められる ──「軌道上にあなたの商品が滞在している」という物語が、形のレベルで一目で伝わる造形にした
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Narravity の軌道上で展開された衛星のレンダリング。太陽電池パドルが完全に開いた飛行コンフィギュレーション。

03. Structure

tsug は、ブランドの骨格から物理プロダクト、サービスフロー、コミュニケーション映像までを一貫して担当した。

  • Concept Design / Brand:事業の世界観、ブランドコンセプト、トーン&マナー、Narravity というネーミングを支える表現体系
  • Service Design:4段階のサービスフロー、研究者/企業の利用シーンを踏まえた実験フローとユーザー体験
  • Industrial Design & Engineering:衛星モジュールの造形・構造設計。十字型ソーラーパネル × 中央透明ケースを中核モチーフとしたデザイン(公開バージョンは SXSW 2025・CES 2026 で展示された同一バージョン)
  • Interaction Design:モジュールと地上オペレーション、データ収集の体験設計
  • Concept Film:SXSW 2025、CES 2026、オンラインで使用したコンセプト映像
  • Communication Tools:プロダクト/サービス説明資料、広報用ビジュアルの基盤、デモコンテンツ

複数のタッチポイントで一貫したブランド体験になるように設計している。

Narravity ロゴと地上検証段階のハードウェアモックアップ。
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04. Role & Engagement

  • Mode: Creative Director / Design Partner
  • Position: ブランド・サービス・物理プロダクト・コミュニケーションを一貫して担当するクリエイティブパートナー
  • Duration: 2025 -
  • Touchpoints: 概念設計 / 構造設計 / 浸透計画

05. Outcome

  • SXSW 2025(2025年3月、Austin)にて初公開。3月8日にパネルディスカッション「Define in Space, Design for Earth」、3月9-12日に SXSW Expo ブースで展示(ISC ニュース)
  • CES 2026(2026年1月)にて再展示。透明ケースにスニーカーを入れたモックアップが「ブランドの一部としての軌道上滞在」という新しい価値提案として注目を集め、ギズモード・ジャパンなど複数メディアに取り上げられた
  • 米国で独立法人化し、2029年商用化を目標に開発が継続
  • tsug としては、宇宙領域における「商業 R&D × ブランド」のサービスプラットフォームを、ブランドからハードウェアまで一貫して設計した事例として位置づく
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Sirius Technologies のシンボルマーク(上向き三角と下向き三角の組み合わせ)と社名のロゴ。

06. Voice

軌道上の実験を、研究目的から企業の製品開発・ブランドの物語へと翻訳するサービスフレームを設計した事例。