Narravity
2025
Conceot Design, Industrial Design & Engineering, Interactin Design, Service Design, Concept Film
Narravity(ナラヴィティ)は、米国の宇宙開発企業 Sirius Technologies によるプロジェクトであり、
ブランド開発に取り組む企業が宇宙空間という極限環境で製品や体験を検証できる、
世界初のマイクロサテライト(超小型人工衛星)型サービスプラットフォームです。
ブランドのために宇宙を開かれた場所にすることを目指して設計されました。
Narravityは、単なる人工衛星ではなく、宇宙という次世代の舞台をブランディングに活用するためのプラットフォームとして
デザインされています。これにより、ブランドはこれまでにない形で微小重力環境下での実験が可能になります。
Narravityは、こうした課題に今まさに取り組もうとするブランドを支援し、
微小重力環境での製品イノベーションのためのユニークな実験フィールドを提供します。
Narravityは、約30×20×20cmの超小型衛星の内部に、製品サンプルやセンサー、ロボットアーム、カメラ、通信モジュールなどを搭載可能。
微小重力環境において製品の動きや使用感などのふるまいをリアルタイムに観察・記録・配信できる実験プラットフォームです。
従来、宇宙での研究は国際宇宙ステーション(ISS)に限られており、
厳格な規制のもと、材料科学、電子工学、微生物学といった専門的な分野の実験に限定されてきました。
コンシューマーブランドには、これまでほとんど機会がありませんでした。
人類が商業宇宙旅行に一歩一歩近づいている今──おそらく10年以内にも──
ブランドは「重力のない世界」における製品デザインを再考しなければなりません。
たとえば、フットウェア(靴)においては、厚底スニーカーは宇宙で意味をなさないと考えられます。
しかし、素足で過ごすという選択肢も現実的ではありません。
Narravityは、こうした課題にブランドが今日から取り組めるように支援し、
微小重力環境での製品イノベーションプロセスの可視化を可能にするプラットフォームとなっています。
ファッションから食品、化粧品からコンシューマーエレクトロニクスまで──Narravityは、
ブランド開発の未来のために宇宙をひとつの実験室に変えます。
たとえば、スニーカーやアパレルのブランドは、微小重力環境でプロダクトのシルエットがどう揺らぐか、
脱げにくく動きやすい形状とはどんなものか、宇宙の環境に耐えられる素材なのかなどを検証することで、
魅力的な製品デザインの可能性を広げることができます。
リアルな宇宙空間を背景にした実験映像をストリーミングすることも可能です。
多様な食品ブランドは、香りや食べやすさだけでなく、
微小重力下での食品の見た目の変化や“おいしそうに見える演出”について考察を深めることができます。
サプリメントや栄養機能食品が微小重力環境でどのように吸収され、
ふるまうかを可視化することは、バイオ企業にとってブランドの信頼性を伝える物語として活用できます。
こうした宇宙での開発・検証プロセスに演出を加え、
ブランドの顧客に公開することで、Narravityはブランドの“ナラティブ(物語性)”を形づくる強力な手段となります。
このプロジェクトは、アメリカ・テキサス州オースティンで開催される世界最大級のクリエイティブ・テックイベント
「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」にて展示されました。
SXSWは、テクノロジーから音楽、映画まで多様な分野が交差する国際イベントであり、
新たな価値観を世界に発信する“未来の見本市”として知られています。
そこでNarravityは、「宇宙でブランドを育てる」という全く新しい発想と具体的な試作展示によって来場者やメディアの注目を集め、複数のメディアにも取り上げられました。展示映像やプロトタイプの演出を通じて、多くの来場者にブランドと宇宙の新しい関係性を予感させました。
tsugはこのプロジェクトにおいて、プロダクトデザイン、エンジニアリング、
クリエイティブディレクション、そして映像制作を担当。
構造設計から素材選定、ストーリーテリングまでを手がけています。
Sirius Technologiesのロゴデザインも手がけています。
Sirius Technologiesは、日本の宇宙輸送機開発企業「将来宇宙輸送システム株式会社」の米国子会社です。